ハイチ出身の女性作家 エドウィージ・ダンティカの『デュー・ブレーカー』の初邦訳、
および『クリック?クラック!』の復刊の2点同時刊行を記念し、
訳者であり英語圏カリブ文学の専門家・山本伸さん(四日市大学教授)に
ダンティカ作品の魅力について語っていただきます。
あわせて、往年の名番組・NHK人形劇『新八犬伝』で「玉梓が怨霊」の声を演じ、
今年米寿を迎えてもなお現役でご活躍の女優・阿部壽美子さんに、
地母神を思わせるその印象的な声で『デュー・ブレーカー』の一説を朗読していただきます。
みなさま、ぜひご参加ください。
【著者紹介】
E.ダンティカ
ハイチ系アメリカ人作家。1969年ハイチのポルトープランス生まれ。
経済的理由で両親が先にニューヨークに移住し、12歳のときに渡米して両親と合流、
以後ブルックリンのハイチ系コミュニティで育つ。
修士論文をベースに書いた『息吹、まなざし、記憶』でデビュー。
『クリック?クラック!』で全米図書賞最終候補、『骨狩りのとき』で全米図書賞、
『愛する者たちへ、別れのとき』で全米書評家協会賞を受賞。
また、ノーベル文学賞に次ぐといわれるノイシュタット国際文学賞(2018年度)も受賞した。
デュバリエ独裁政権による民衆弾圧、隣国ドミニカによる虐殺などのハイチの暗い社会的記憶を、
声高にではなく静ひつで抒情的な筆致で描く作風が高く評価されている。
【書籍紹介】
初邦訳『デュー・ブレーカー』
2,200円+税
夫は、わたしの身内を拷問した「デュー・ブレーカー」(朝露を蹴散らす者=拷問執行人)
かもしれない。
わたしが勘づいていることを、夫もまた知っているだろう。
いつの日か娘が両親の秘密を知って、アメリカでやっと手にした
このささやかな幸せが失せる時が来てしまうのだろうか……。
九つの挿話が、まるでカリブの濃密な夜空に輝く星座のように配置されるとき、
祖国ハイチの社会的記憶が浮かび上がる。
【書籍紹介】
新装復刊『クリック?クラック!』
2,000円+税
カリブ海を漂流する難民ボートの上で、死体が流れゆく「虐殺の川」の岸部で、ニューヨークのハイチ人コミュニティで……、
女たちがつむぐ十個の「小さな物語」が地下茎のようにつながり、ひとつの「大きな物語」を育んでいく。
「クリック?(この話、聞きたい?」「クラック!(聞かせて!)」
―――物語の始まりを告げる掛け合いの言葉とともに、現代の<伝承>が生まれ出る。
女優・阿部壽美子さん
【日時】 |
2018年7月29日(日) |
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【会場】 |
三省堂書店池袋本店 書籍館4階 イベントスペース |
【出演】 |
山本伸さん(四日市大学教授) |
【参加方法】 |
三省堂書店池袋本店別館地下1階Aゾーンレジで対象書籍を 参加券のご予約は、お電話でも承ります。 ※参加券をお電話にてご予約いただいたお客様は、イベント開始までに |
【対象書籍】 |
『デュー・ブレーカー』 本体価格2,200円+税 ※7/24(火)頃発売予定 |
【参加特典】 |
当日ご参加いただいた方に特製ポストカードを差し上げます。 |
【その他】 |
・イベント中の撮影および録画、録音はご遠慮下さい。 |